対馬昆虫採集記(4泊5日の旅) ③
3日目は某山へキンオニクワガタを採集しに行きました。
朝から山へ向かいます。
途中クワガタがいないか林道に寄っていると、ふとある木に違和感を覚え近づいてみました。すると…
スズメバチの巣…
何スズメバチかはわかりませんが、近づかない方が身のためですね。
その後目的地に到着したのですが、今回山に登るにあたり、実はあるアイテムを使いました!
それが…
オニヤンマ!!
実はオニヤンマが蚊やアブを追い払う効果があるという噂を以前ネットで見たため、撮影のため採集した際に羽が切れてしまった個体を〆て帽子に付けてみることにしました。
(結果は場所によりけりですが、平地や林道ではかなり効果がありました。)
その後、山を登り始めて周りを見ていると…
ん?このおしりは…
トゲアリ!!
私の大好きな種類のアリさんが対馬にもいたなんて!
周りを見るとムネアカオオアリが多く生息しているので、どうやら彼らを宿主としているようです。秋にトゲアリの女王を見にくるのも楽しいかも♪
その後さらに歩みを進めると…
ヤマアカガエル…かな?
(背側線が鼓膜の後ろでV字に曲がっているように見えるので)
色々な生き物がいますが……とにかく
暑いそして道が滑る
日陰にはなっているものの、気温が高く(この日は34℃)山登りはとにかく汗をかく、その上道が落ち葉だらけのため非常に滑りやすい!
(前々からわかっていたのに、スニーカーで来たため何度か滑って転びそうになりました。)
その後キンオニクワガタがいそうな沢を探しながら山を登っている中で、ふと足元に大きな石があり何気なく裏返してみると…
あぁーーー!!!
ツシマサンショウウオ
昔図鑑では見たことがあったものの.生きてる個体は初めてです。プリプリの成体さんで物凄く可愛い!!
しかし、今回はキンオニクワガタが目的なため撮影のみさせて頂き石を戻してお別れです。
その後いくつかの沢がありましたが、良さそうな倒木がないため、少し崖を登ることにしました。
なんとなく見つけた枯れ沢に良さげな倒木があるので、ここを登ることに!
とにかく滑る上に蚊とアブが非常に多く登ることに集中できません。ここでは、オニヤンマさんも効果があまりなかったです。
キンオニクワガタに出会うためには、仕方ないと思いながら、進んでいきます。
ふと目の前に落ちていた湿った朽木を割ってみると…
んん? あなたもしかして!!!
と、思いましたが、コクワのサナギでした。
まぁ、そう簡単には、出てこないわなあ。
コクワがいた横に落ちていた湿った木を割ってみると…
はにゃ?
ええ???
うおおぉおぉ!!!!これはーー!!
でたぁーーーー!!!
キンオニクワガタ
どひゃーー!!
あまりの嬉しさに誰もいない山の中で雄叫びをあげてました。
さらに奥に落ちていた朽木を割ってみると…
大歯でたぁーー!!
(興奮のあまり撮影を忘れて直ぐにケースにしまっていたため、撮影は後日行いました。)
感無量とはこのことですね。
どれだけ吸血虫に襲われようともこの個体を見るだけで救われます。
その後雌個体を探しましたが、追加個体は得られず終了です。
今回の採集で分かったことはキンオニクワガタは枯れ沢周辺の湿った朽木(それもかなり朽ちて柔らかくなっているものを好む?)に見られました。
下山中に休憩のため腰掛けた石の下に
多くのアリ地獄が!
ムネアカオオアリやトゲアリのみならず小型のケアリやサクラアリも見られたのでエサはかなり豊富なのでしょう。
その後、下山をし無事に車を止めている場所に着き、合計6時間の山登りは終了しました。
クタクタになりながら、車を走らせ急いで昼食を食べに目的のお店に向かいます。
気になっていたご飯屋さんに滑り込みで来店し海鮮定食を頂きました。
エネルギーをチャージした後は、一度汗だくとなっているためお風呂に入りたく、ネットでオススメされていた温泉へむかいました。
場所は、峰温泉ほたるの湯です。
お湯は最高でしたが、シャンプー、ボディーソープが有料だったため購入したものの、次回は持ち込んだ方が良いですね。
温泉で温まったあと、夜のライトトラップをする場所を探しながら観光目的としていた目保呂ダム馬事公園へ向かいます。
途中何やら糞虫がいそうな牧場がありましたが、柵があったため中には入れず、牛を眺め馬事公園へ向かいます。
馬事公園へ到着。
ここの目的は対州馬(たいしゅうば)を見ること!!!(ちょっと糞虫もチェック)
学生時代に馬術部だったため馬は見慣れているつもりでしたが、対州馬はとにかく小さい!!
ポニーより少し大きいくらいです。
撮影の許可を頂き馬を撮らせて頂き、ついでに、馬の健康状態を見てみたいから馬糞も見させてくれとお願いをし、不思議そうな顔をされながらも許可を頂きました。
(元馬術部で馬の健康に関する知識があったことが功を奏しました。)
が、結局目的の糞虫は見つけられず……
対州馬の歴史や現状の個体数など興味深い話を伺いながら雑談をさせてもらいました。
その後、夜までまだ時間があったためGoogleマップを見ながら入れそうな林道を進んでみると、多くのシイタケ場がありました。
対馬はシイタケが非常に有名らしく至る所にシイタケ場がありました。
この林道では目ぼしい成果は挙げられず、そうこうしているうちに、ライトトラップの時間も迫っていたので車を急いで走らせ目的の場所へ。
目的地へ着く途中に大量のキリギリスが道路へ出てきており産卵場所を探しておりました。
その中で一際目立つ個体がおり、車を止めて確認すると…
ツシマフトギスのメスでした。
(後日撮影)
腹部が膨張していることから産卵間近であると伺えたので、持ち帰って飼育してみることにします。
無事に目的のライトトラップ場所へ到着し始めるとすぐに
羽アリ(主にトビイロケアリ)と複数の小型の蛾が到来してきました。
10分後には…
きましたーー!!
ヒメダイコクコガネのオス
(後日撮影)
昼間に見つけたかった糞虫です。
会えてよかった!
その後立て続けに…
センチコガネもきたーー!!
こちらも会いたかった種類です。
(後日撮影)
センチコガネは密かに集めている種類なので嬉しいです。
その後は風が強くなり目ぼしい昆虫は来ませんでした。
やはりずっと晴れ続きで乾燥していることも原因なのか、はたまた場所の問題なのか、色々考えましたが、山登りで疲れがピークを迎えていたのでこの日はその場にテントを張り就寝です。
明日は1日活動できる最後の日となります。